「タイってチップ必要なの?」

初めてタイを訪れたとき、私が一番戸惑ったのがこの問題でした。

日本ではチップの文化がないので、どこで渡せばいいのか、金額の相場は? と悩む場面が何度もありました。

特にタイは観光大国とはいえ、日本人にはまだまだなじみのないルールが多く、最初は「え? これって渡すの? 渡さないと失礼?」と不安でいっぱい。

この記事では、そんな私の経験をもとに、「タイでチップが必要な場所・いらない場所」をわかりやすくご紹介します。

これから初めてタイに行く人も、すでに何度か行っている人も、知っておいて損はない内容だと思います。

今回は、「食事」「マッサージ」「ホテル」「タクシー」「例外のケース」の5つに分けてお伝えしていきます。

それでは、いってみましょう!


【1】食事のときのチップ事情

屋台は基本チップ不要!でも感謝の気持ちはアリ

まず、タイ旅行の醍醐味といえば屋台ごはん!

カオマンガイ、パッタイ、ガパオライス……どれも安くて美味しくて、私も滞在中は毎日のように通ってしまいます。

そんな屋台では、基本的にチップは必要ありません。

現地の人も、普通に料理代だけを支払って終わりです。

ただ、あるとき私はうっかりコーラをひっくり返してしまい、テーブル一面がびしょ濡れになってしまいました。

紙ナプキンや調味料まで濡らしてしまい、申し訳なさすぎて…。

そのときは、会計時にプラスで50バーツを渡しました。

「迷惑をかけた」「すごく親切にしてもらった」そんなときには、感謝の気持ちとして渡すのはとても良いことだと思います。

また、お釣りが1〜2バーツのときに「お釣りはいらないよ」と笑顔で伝えるのも、よくある自然なやりとりです。

もちろん、これは義務ではありませんので、気にしすぎなくて大丈夫です!


フードコートでも不要。プリペイド式が多い

ショッピングモール内などのフードコートも、チップは一切必要なし

多くのフードコートでは、先にプリペイドカードを購入し、注文時にそのカードで支払う形式なので、そもそも現金のやりとりがありません。

また、食器はそのままテーブルに置いておいてOK。

スタッフが清掃してくれます。

中には、感謝の気持ちで20バーツくらい置いていく人もいるという話を聞いたこともありますが、私はやったことがありません。

こちらも、やるかやらないかは完全に気持ち次第です


カフェはケースバイケース。チップ箱に気づいたら…

タイには本当におしゃれで居心地の良いカフェが多いですよね。

私も、Wi-Fiが使えるところではつい長居してしまいます。

カウンターの横に「TIPS」と書かれた箱が置いてあることもよくあり、お釣りが少しだけだったときや、数時間作業をさせてもらったときには、感謝の気持ちとして20バーツほど入れることがあります。

例えば、180バーツのセットに200バーツを払って「お釣りいりません」と言うなど、小さな気遣いはとても喜ばれます。

でも、これは完全に自由です。

周りを見ても、チップを入れている人は少数派の印象。

あまり気負わず、心が動いたときだけでいいと思います。


レストランでは5〜10%が目安!

ある程度しっかりしたレストラン、特にホテル内やエアコン完備の高級レストランでは、チップ文化がしっかりと根付いています。

目安としては、会計の5〜10%

私の場合は、1,000バーツのお会計であれば、50〜100バーツ程度を渡しています。

接客が良かったり、料理が感動的に美味しかったときは迷わず100バーツ。

逆に、接客がそっけなかったり、料理の提供が遅すぎたりしたら、20〜30バーツにとどめることもあります。

また、クレジットカードで支払った場合でも、チップは現金で渡すのが一般的

なので、私は20〜50バーツ札を常に財布に入れておくようにしています。


「+」「++」表示には要注意!

タイのレストランでは、メニューに「+」や「++」の表示があることがあります。

これは追加料金の意味。

  • 「+」は、VAT(消費税)7%
  • 「++」は、サービス料10%+VAT7%=合計17%

つまり、「1,000バーツ」のメニューが、実際は1,177バーツになることもあるわけです。

私も初めてのとき、「あれ?なんでこんなに高いの?」と驚いた経験があります。

このサービスチャージ(10%)が含まれている場合は、基本的に追加のチップは不要です。

でも私は、特に気持ちよく食事できたときには、さらに20〜50バーツを追加で置いていくこともあります。

タイの人って、チップを渡すと本当に嬉しそうに「コップンカー!」と笑ってくれるんですよね。

その笑顔を見ると、私も自然とほっこりしてしまいます。


【2】タイのマッサージでのチップ事情

安くて本格的なタイ古式マッサージ

タイ旅行での楽しみのひとつが、なんといってもマッサージ!

私も旅の疲れを癒すために、毎回必ずタイ古式マッサージを受けに行きます。

料金は本当に良心的で、**1時間で200〜300バーツ(日本円で約800〜1,200円)**ほど。

それでいて、技術は本格派なので驚きです。


チップの相場と渡し方

施術が終わったあと、私はいつも**「ありがとう」の気持ちを込めて、50バーツを手渡し**しています。

「コップンカー」と笑顔で渡すと、相手もとても喜んでくれるのが伝わってきます。

お店によっては、出口にチップ用の箱がある場合もあります。

でも、個人的には、直接手渡しのほうが感謝の気持ちがしっかり伝わる気がします。

相場としては、

  • 1時間の施術:30〜50バーツ
  • 2時間以上の施術:50〜100バーツ

が目安です。


ちょっとした失敗談

あるとき、初めて入ったマッサージ店で、特に何も考えずに施術を受け、帰るときに「チップを忘れていた」ことに気づいたんです。

すでにお店を出たあとで、引き返すのも難しくて…。

そのときのマッサージ師さんの少し寂しそうな表情が、今でも忘れられません。

それ以来、私は必ずチップを準備してからお店に入るようにしています。

小額でも構わないので、「ありがとう」を形にするって、大切なことなんだなぁと感じた瞬間でした。


【3】ホテルでのチップ

ホテルでも、チップは場面によって必要になります。

チェックイン時のフロントには不要ですが、ポーターが荷物を運んでくれたときや、ハウスキーピング(掃除)をしてもらったときには、20〜50バーツ程度を渡すのが一般的

私はベッド横に20バーツ札を置くようにしていて、特に連泊するときは毎日置いています。

最終日には少し多めに置いたことも。


【4】タクシーでは基本不要。でも気持ち次第でOK

タイのタクシーはメーター制ですが、運転手さんの対応が良かったときや、安全運転で目的地までスムーズだったときには、少しだけチップを渡すこともあります。

具体的には、メーターが95バーツだったら、100バーツを渡して「Keep the change(お釣りはいらない)」と言う感じ

でも、基本的にはチップ不要なので、無理に渡す必要はありません。


【5】例外的なケースや注意点

空港や高級スパなどでは、チップ文化が色濃く残っていることがあります。

また、日本人とわかると「チップくれ」という感じで手を出してくる人もいますが、相手の態度が横柄だったり、強引な場合は断ってOKです。

タイは優しい人が多い国ですが、観光地ではトラブルもあるので、常に自分の気持ちを大切にすることが大切です。

私のちょっとした失敗談

今でも覚えているんですが、バンコクで足つぼマッサージを受けたときのことです。

たまたま入ったお店で施術を受けたんですが、そのときのマッサージが……正直ちょっと雑だったんです。

足裏を押すのはいいけれど、力加減が強すぎて痛いし、途中で何度もスマホをいじる。

「あれ、これって本当にプロの仕事……?」と思ってしまったほど。

さすがにモヤモヤしてしまって、そのときは申し訳ないなと思いつつも、20バーツだけチップを渡しました。

逆に、別のマッサージ店で「神の手」と思えるほどの腕前の方に出会ったときは感動してしまって。

本当に体が軽くなって、心までほぐれたような気分だったので、100バーツ気持ちよく渡しました。

やっぱり大事なのは「満足したかどうか」だと実感しています。

チップは義務じゃなくて、あくまで感謝の気持ちなんだなと思いました。


ホテルでのチップ事情

タイのホテルに泊まると、思ったよりも「チップを渡すタイミング」が多いことに気づきます。

初めてのときは戸惑いましたが、今ではある程度ルールがわかってきたので、場面ごとにご紹介しますね。


ベルボーイに荷物を運んでもらったとき

チェックインのとき、ベルボーイがスーツケースを部屋まで運んでくれることがあります。

このときは20〜50バーツが相場です。

私は最初、「えっ、今渡すの?後で?」と戸惑ってしまって、財布を出すのにモタモタしてしまいました。

なので、最近はチェックインの直前に20バーツ札を数枚、あらかじめポケットに入れておくようにしています。

そうすることでスムーズに渡せて、お互いに気持ちよくやりとりできます。


枕元に置くチップ(ルームクリーニング)

ホテルの部屋で清掃スタッフへのお礼として、枕元にチップを置く習慣もあります。

私は、毎回必ず置くというよりも、「今日はちょっと部屋が散らかっちゃったな」と思ったときや、「タオルをたくさん使ったな」と感じたときに、20バーツを枕元やデスクに置くようにしています。

逆に、一泊だけだったり、ほとんど部屋を使わなかった日は置かないこともあります。

ちなみに、紙に「Thank you」と一言メモを添えると、さらに気持ちが伝わりますよ。


特別なお願いをしたとき

フロントに「歯ブラシをもう一本もらえますか?」「Wi-Fiがつながらないので助けてください」などとお願いしたとき。

スタッフがとても親切に対応してくれた場合は、20〜50バーツ程度を渡すととても喜ばれます。

私も、部屋の冷房が効かなくて困ったとき、深夜にもかかわらずスタッフが丁寧に対応してくれたことがあって、そのときは自然とお礼を渡しました。

「ありがとう」の気持ちがきちんと届いたようで、スタッフさんも満面の笑顔を見せてくれました。


タイのタクシーでのチップ

意外かもしれませんが、タイのタクシーではチップは必須ではありません。

ただ、私はいつも「ちょっとだけ上乗せ」するようにしています。


短距離の場合

例えば、料金が85バーツだったとき。

100バーツ札を出して「お釣りは大丈夫です」と伝えると、運転手さんが笑顔で「コップンカップ!(ありがとう)」と言ってくれることがよくあります。

こういう気持ちのいいやりとりができると、こちらまで心が温かくなるんですよね。

目安としては、100バーツ以下の乗車で10〜20バーツの上乗せが一般的です。


長距離や空港送迎の場合

空港までの送迎などで200〜300バーツを超える距離の場合は、20〜50バーツ程度を上乗せすることが多いです。

大きなスーツケースを積み下ろししてもらったときや、荷物が多いときは、少し多めに渡すと良い印象を持たれます。


注意点:メーターの確認は必須!

ここで大事なポイントがあります。

タクシーに乗るときは必ず「メーターを使うかどうか」を確認してください。

観光客だとわかると、メーターを使わずに高額な料金をふっかけてくるドライバーもいます。

私も一度、「この距離で400バーツ!?」という料金を提示されたことがありました。

さすがに相場を知っていたので、そのときは断ってGrabを使いました。

チップ以前に、まずは正当な料金で乗ることが大事です。


Grab(グラブ)でのチップ事情

最近では、タイでも「Grab(グラブ)」などの配車アプリを使う人が増えています。

私もすっかりヘビーユーザーです。

アプリ内で料金が事前に表示されるので、ぼったくりの心配がなく、安心して乗れます。


現金払いのとき

Grabはキャッシュレスでの支払いも可能ですが、私は現金で払うこともあります。

そのとき、お釣りが10バーツや20バーツのときは、そのまま「チップとしてどうぞ」と渡すことが多いです。

ドライバーさんも「Thank you!」と笑顔で返してくれるので、いいコミュニケーションになります。


アプリ内でのチップ機能

Grabでは、アプリ内で評価と一緒にチップを送ることもできます。

ドライバーの対応が良かったときは、★5評価と一緒に10〜20バーツのチップを送るようにしています。

これはアプリ内のクレジットやカードから自動で引き落とされるので、現金を出す手間もなくスマートです。


まとめ

タイでのチップ文化は、日本とはかなり違いますが、決して難しくありません。

「心からありがとう」と思ったときに、無理のない範囲で気持ちを伝えれば、それだけで十分です。

私自身、最初は戸惑いましたが、何度も旅を重ねるうちに、「チップはルールじゃなく、感謝の形」だと感じるようになりました。

そして、タイの人たちの温かい笑顔に出会うたびに、少しでも自分の気持ちを届けたいと思うようになったんです。

これからタイに行くあなたにも、そんな素敵な出会いがありますように。

そして、チップのことで無駄に悩まず、思いっきりタイの旅を楽しんでくださいね!

また次回、別の記事でお会いしましょう。サワディーカー!